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先日旦那とアイス買いに行きました。
わたしはアイスのチョコミント味が大好きなのです。
でもチョコミント好きと言う人に出会ったことありません。
そんなこと考えてて浮かんだ妄想。









今日は岬くんと2人でお出かけ。
○○公園の噴水の所で待ち合わせ。
待ち合わせ15分前。
わたしの方が先に着いた。
噴水の前にはベンチがある。
あそこに腰掛けて待ってよ。
ベンチに腰を降ろす。
ピンク色したかわいい車が目に入る。
アイスクリーム屋さんの車だ。
ボディーにプリントされたアイスクリームの絵がとってもおいしそうで・・・。
我慢できない。食べながら待ってよ。
アイスクリームを買って再びベンチに腰を降ろす。

そうだ。いいこと考えた。
岬くん早くこないかな?
岬くんと一緒に食べよ。

『岬くんも食べる?』
なんてわたしの食べてるアイス差し出して、
『うん』って岬くんが食べて・・・。
そしてわたしも食べて・・・。
きゃあ~。どうしよう?どうしよう?間接キス。
もーやあだ。やだ~ん。もう、わたしのばかぁ。
なんて空想モードに入り・・・。
あ~ん、幸せだぁ。
早く来てくれないとアイス溶けちゃうよ。

でも、唇がほころぶのがわかるわ。
今の私にやけた顔してる。

「あづみちゃん、待った?」
岬くんがやってきた。
わー、どきどきする。
さりげなく『岬くんも食べる?』
って言い出さないと・・・。

「幸せそうな顔してるね。アイスそんなにおいしいの?」
おお、チャンス的な展開。セリフだわ。

「岬くんも食べる?」
そう言って差し出す。

「ごめん。僕嫌い」

え、嫌い?って・・・。

「チョコミント味。嫌いなんだよね」

え~、しまった。

バニラとか、ストロベリーとかにするんだった。

「じゃあ、岬くんも買ってくる?」
そうよ。岬くんが買ったアイス食べさせてもらえばいいのよ。

「僕はいい」

え~そんな・・・。

「ん?どうしたの?」

「わたし岬くんと一緒に食べたいな」
と言ってみる。
これ言うの結構勇気いったんだからぁ。

「そっか。じゃあ」
そう言って買いに行く。

「お待たせ」

何口か食べる岬くん。
「ねぇ、岬くんのは何味?」
「抹茶」
「ちょっとた・・・」食べさせてと言う予定が・・・。
よりによって、よりによって抹茶・・・。
わたし嫌いだよ。食べられない。
あの苦さと甘さの混じったのがどうもだめだわ。

「あづみちゃんも食べてみる?」
「いい。抹茶苦手なの」
「そうなんだ」

かくしてわたしの間接キスの野望・・・。もとい、夢は散った。






あとがき 

書き物置き場に置くほどのものではないやね。
この2人フランスの日本人学校にいる時の頃、中一の頃かな?

抹茶は子供の頃は苦手でしたが、大人になったら大丈夫になりました。
中、高生の頃は食べられなかったです。
あづみちゃんの嫌いな理由が、わたしの嫌いな理由でした。
今は好きです。

チョコミントですが、
「チョコは好き。ミントも好き。でもなんで一緒にする?チョコは甘くないと」

「チョコレートと歯磨き粉食べてるみたい」
こんな理由で嫌いな人多いです。

高校の頃、17(セブンティーン)でしたっけ?自販機。
その自販機で友達とアイス買った時に、チョコミントのボタン押そうとした時の私と友達の会話。

友達「それチョコミントだよ」
私 「うん」
友達「だからチョコミントだよ」
私 「うん」
友達「まずいよ」
私 「大好きなんだけど・・・」
で、友達に変な顔されました^^;
ちなみにマシュマロ、スニッカーズも好き。
このふたつも好きという人あまりいませんです。
私は変わった物がお好き?といったところでしょうか。

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ダイニングテーブルに夕食を並べてく。

「あ、運ぶの手伝う」

「じゃあ、サラダ運んで」

台所に行くとお父さんの分、
もう一皿ラップにかけて置いてある。

岬くんお父さん遅いって言ってたっけ・・・。
いつも夕食作ってこうやって1人で待ってるんだ?
なんか切ない気持ちになってしまう。

「あづみちゃん?」
「あ、ごめん」

でも、家の中は暖かい雰囲気で包まれてる。
それは岬くんやお父さんが温かい人だからなんだろうね。きっと。

サラダを運びながらそんなこと考えていた。

「さ、食べようか」
「いただきます」

エビフライには、
キャベツの千切りにブロッコリーとトマトが添えられてる。

「おいしい」
なんでこんなにおいしいの?
きっと私満足げな、幸せな顔して食べてる。

「そう。よかった」

サラダに手を伸ばす。

「おいしい。特にドレッシングが・・・。
 ねえ、このドレッシングって何?」

「ああ、えっと、僕が作ったんだ」

「え、ドレッシングまで手作り?」

「うん。この前サラダ作った時にさ、
 ドレッシング切らしちゃってるの忘れてて、
 作ってみました」

「クルトンは?」

「それは、暇な時にバケット買ってきて、
 その大きさに切って揚げたの。スープにも使えるしね」

「へぇ~、まめなんだね」

「え、たまたまだよ。たまたま。 
 いつもドレッシングとか作ってるわけじゃないよ」
「くす。くす」
「なに笑ってるのかなぁ・・・」
「だって・・・」

さっきチーズ削ってる時とても楽しそうで・・・。
クルトンやドレッシングを楽しそうに作ってる岬くんが浮かんで・・・。
でもそれをむきになって否定する岬くん。
なんかかわいくって笑ってしまった。

よかった。誘ってくれて。
家だと1人寂しく、
電子レンジで温めるだけのグラタンとかになっていたもの。


「あづみちゃん、おうちに電話しといたほうがいいよ。
 お母さん帰ってきて、あづみちゃん家にいなかったら心配するよ」
「うん。でもまだ帰ってないと思う」
「留守電に居場所だけでも入れておいたほうがいいよ。ね」
そう言って子機を渡してくる。

「あ、わたし。鍵なくしちゃって、今友達のとこにいます。
 帰ってきたら電話して。 電話番号は・・・」
留守電に吹き込み電話を切る。

岬くんはというと食器を洗ってる。

「私も手伝う」
「じゃあ、それ、すすいでくれる」
「うん」

桶に入った泡のついた食器すすぎ始める。

ここで「洗わなくていいよ」とか遠慮しないのが、
岬くんなりの配慮なんだね。

ご飯作ってもらって、食べるだけ食べてくつろげないもの。
そんな居心地悪いのいやだもの。
それちゃんと分かってくれてるんだね。

よかった。ちゃんとママのお手伝いしてて。
お皿くらいは洗えるもの。

「はい。ラスト」
そういって手渡してくる。
受け取る私。

指と指が触れる。
「きゃっ」
なんかドキッとして、思わず手を放してしまった。
桶の中にお皿が落ちる。

拾い上げる。よかった。割れなくって。

「あづみちゃん。どうしたの?」
「あ、ううん。なんでもない」

いつもふざけて岬くんに触れたりするのに、
なんでドキドキしたんだろ?

そう、この日。
この日から岬くんのこと意識したのかも・・・。



「岬くん今日はいろいろありがと。食事とてもおいしかったよ。
 お礼にフランス語教えてあげよう。
 これからはあづみちゃんのフランス語講座です」
そう、フランス語で言ってみる。

「ありがと。料理おいしいって言ってくれて。
 ではあづみ先生よろしくお願いします」
そう、フランス語で返してきた。

こうしてしばらくフランス語で会話。
分からないところは日本語で返してくる。
それをフランス語に直し教える。

でもやっぱりきつい私が出る。
でも岬くんはそんなの気にしないみたいだし・・・。
ま、いいか。



なかなか家から電話掛かってこない。
まだ帰ってないのかな?
だんだん不安になってくる。

「岬くん、電話貸して」

家に掛けてみる。
でない。

留守電につながる・・・。

ひっく。ひっく。
電話を切ると同時に、泣き出してしまった私。

「あづみちゃん・・・?」
泣きじゃくる私の手を引いてソファーに座らせ、隣に座る。

「お母さん達帰ってこないの不安なんだよね?」
そういって私の顔を覗き込む。
「うん」
ひっく・・・。

「僕もね、昔はよく泣いてたなぁ」

泣きながら岬くんのほうを見る。

「ほら、うち父さんと2人でしょ。
 僕が小さい頃は、
 遅くまでの仕事や泊まりの仕事は断ってたみたいなんだけど・・・。
 僕が『大丈夫だよ』って言って無理やり行かせたんだけど・・・。
 でも不安でよく泣いてたなぁ」

「へえ、岬くんがねぇ・・・」

「うん。泊まりの日なんてね。
 泣きながら、そのうち泣き疲れて寝てた時もあったし」


にっこり微笑む岬くん。

「あっ、今じゃないからね。昔だよ。小さい頃だからね」

岬くんの笑顔って、かわいいだけじゃないんだ。
なんかほっとする。安心するんだよね。
こっちもつられて笑顔になる。



「コーヒーでも飲む?」

そういえば、さっきからコーヒーの香りが漂ってる。
私が電話してる間に、セットしておいたらしい。

わたしコーヒー苦手。だって苦いんだもん。
でも、こう言ったら子ども扱いされたことあって、
それもやだし・・・。

でも苦手というのが、どうやら顔に表れたらしい。

「あづみちゃんコーヒー嫌いなんだ?」
「キライじゃないもん。飲めるもん」
変なところで意地っ張りな私。


「はい。これなら飲めるでしょ?」
ミルクたっぷり入れて持ってきてくれた。

私、この日からコーヒー飲むようになったんだよね。


そして家からの電話。

私が電話で話してる間に、岬くんは引き出しあけて何か探してる。

「岬くん。今日はありがと。じゃあ、帰るね」

「ちょっと待って。外寒いよ」

そういって首にマフラー掛けてくれた。

「雪降ってきてるよ」
「え、雪?」

そして私の頭に帽子をかぶせ・・・。
さっき岬くんがかぶってた帽子だ。

そう、わたしマフラーも帽子も手袋もしてこなかった。

「じゃあ、行こうか」
「あの・・・」
「送ってくよ」

玄関出たところで
「はい」
と手袋を差し出された。
これもさっきしてた手袋だ。

「岬くんのでしょ?」
「でも、手袋これしかなかったから・・・」

「帽子も?・・・」
そうなんだ。マフラーはしてるけど帽子かぶってない。

「うん。探したけどマフラーしか見つからなかった」

「でも大丈夫だよ。こうすれば」
そういってダッフルコートの帽子をかぶる。

「手袋まで借りれないよ」

「う~ん、じゃあ、はい」
今度は片方だけ差し出す。

「片方の手に手袋して、してない方の手は繋げば温かいよ。ね。」
「うん」
頷く私。

家までの道を岬くんと手を繋いで歩く。
やっぱりどきどきする。
心臓の音聞こえちゃうんじゃないかってくらい。

雪が静かに落ちてくる。
帽子にも降りかかる。

そんな中を二人で歩く。

寒い夜の雪道。

でも、繋いだ手はとても温かい。
手袋してる手よりも暖かく感じた。


そんな小6の冬・・・。











あとがき

先日夢を見ました。
まえがきに書いたわたしの見た夢です。

『あづみちゃんが河川敷で鍵を探してて、岬くんが通りかかり声を掛ける。
一緒に探す。でもみつからない。
家の外で待つというあづみちゃんを見かねて、岬くんが家にあづみちゃん連れて行く。
で、ソファーで眠っちゃうあづみちゃん。
夕食作る岬くん。
夕食のにおいで目を覚ますあづみちゃん。

岬くんが私の夢の中で作っていたの、ほんとにエビフライと、シーザーサラダでした^^
2人で夕食食べ、あづみちゃんがママが帰ってこないことが不安で泣き出しちゃって・・・。

で、「不安なんだよね?僕もね、昔はよく泣いてたなぁ」このセリフも夢で見たんです。
それも栄子さんの声でしっかりと岬くんの声で・・・。
慰めて、そして岬くんが送っていく。
外出たら雪で雪の中手をつないで歩いてる』
そこで目が覚めました。

おお、もろ話のネタになるって^^;
色々加えてひとつの形にしてみました。

何が一番悩んだかというと、
オリジナルキャラの名前でした^^;

最初、亜美でした。
でも、あづみ と あみ・・・。
で次に浮かんだのが 歩美(あゆみ)
で、朱里が浮かび・・・。
翼君の声の人、日比野朱里(旧 小粥よう子)さんの名前ではありませんか・・・。
で結局 杏奈 (あんな)になり、
あから始まる名前しか思いつかないのかい。わたしは・・・。

あづみちゃんって小さい頃からフランスにいるイメージで、
パパ、ママって呼んでる気がするのです。

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まえがき

『遠い存在』の続き書いてたら浮かんだ話です。
喧嘩の後友達に相談するあづみちゃん。
その友達はフランスの日本学校で一緒だった友達で、
「あづみ、岬くんの事、好きって感じじゃなかったじゃない」
ということ言い出し・・・。

そしてそんなことを考えている時、岬くんとあづみちゃんの夢を見ました。
そんなわけでこっちの回想の話へ頭が飛びました。










「あづみ、岬くんのこと好きって感じじゃなかったじゃない?」
大学の友達、杏奈に言われた言葉。
岬くんと喧嘩して、相談したら言われた言葉。
杏奈はフランスにいた頃の日本人学校の友達。
岬くんが来て1ヵ月あまりで日本に帰国。
偶然大学で再会して、今の一番の親友。


そうだったんだよね。
岬くんの事、最初はただのクラスメートとしか思ってなくって・・・。



「岬太郎です。父さんの仕事の都合でフランスにきました。よろしく」
岬くんが挨拶すると、
「かわいいこじゃない」
女の子達盛り上がって・・・。
「わたし、一目惚れしちゃいそう」
なんて言ってる友達もいた。



岬くんが転校してきて数日後・・・。
休み時間に杏奈始め友達が私の席に集まる。
近くの椅子を引き寄せて、ひとつの机を囲むように座る。
「岬くんってほんとかわいいよね」
「守ってあげたくなっちゃう」
改めて友達がそういう話をしている。
でも私はというとちょっぴり冷めてるかも。

「あづみなら気が強いから、
 おとなしい岬くん引っ張って行きそう」
「うんうん。強気な性格で守ってあげてそう」
そう杏奈達にからかわれた。

「え~、私はどちらかといったら、
 かわいいよりかっこいい方ががいいなぁ。
 でもね、見た目よりも 守ってくれる人のほうがいい。
 やっぱり強くて頼れる人のほうがいいな・・・。」
 

「あづみより強い男の子ねぇ。いるのかなぁ?」
「なによそれ~」
そんなやり取りをしてると、
まさに今噂中のその本人と目が合った。

「岬くん」
私の声に、みんな私の視線の先を見る。
教室にいなかったはずの岬くんが、いつの間にか戻ってきていた。

「今の話聞かれちゃったかな?」
杏奈達がそう言って再び岬くんのほうを見る。

そんな私達に向かって、「にこ」っと微笑を浮かべる。

立ち上がり岬くんのところへ向かう私。

「ねえ、岬くん、今の話聞いてたの?」

友達にからかわれてちょっとむくれてる私。
言い方がきつくなってしまう。

「ごめん。聞こえちゃった」
一瞬ひるむ岬くん。
「盗み聞きするなんて最低」
もはや八つ当たり気味な言い方。
でも盗み聞きする方も悪いのよ。

「あづみ、そんなきつい言い方しなくても・・・」
杏奈達みんなは、はらはらしてたらしい。
でも当の本人、ひるんだのは一瞬だけで、けろっとしたもの。

「そうだね。ごめんね」
みんなの心配をよそに、
にっこり微笑んでそう言ったんだ。




「あづみちゃんて時々きついけど、でもあのパワーすごいよね。 
 見てるだけで一緒にいるこっちも元気になれる。
 元気振りまいてるよね」
 
岬くんが杏奈にこう言ったのを、わたしはこの時は知らなかった。





やっぱあの言い方はきつかったかなぁ?
謝ったほうがいいよね?八つ当たり半分だったし・・・。
ちょっと反省。
放課後、自分の席で本を読んでる岬くんの傍に行く。
謝るために・・・。


「あの、岬くん?」
「ん?」
読んでるページに指を挟んだまま、本を閉じこっちを見る。
「さっきはごめんなさい」
「えっ、何のこと?」
思い当たる節がないといった様子で、首を傾げる。
「だからさっき、休み時間に・・・」
「ああ、別に気にしてないよ」
そう言って優しく微笑む。
確かにかわいい。みんながそういうのはわかるんだけど・・・。
でも男は顔じゃないもの。


「ところでなに読んでるの?」
「ああ、読んでるというか・・・」
岬くんが手にしてたのは、フランス語日常会話。

「フランス語って難しいね。全然通じないんだもの」
本に目を落とし発音し出す・・・。

「違う違う。それはこう発音するの」
「えっ?」

私の真似して発音するんだけど、やっぱりうまくいかない。
「そうじゃなくって・・・」
でも、なかなかうまく発音できない岬くん。
もともと教えるの苦手な私。
「だから。こう」

何回か繰り返すうちに、だんだん言い方がきつくなっていく。
「もう、違うってば」
自分でもきつい言い方だってわかってるんだけど・・・。
「だから、ちゃんと聞いてって言ってるでしょ」
あちゃ、なんで私ってこうなんだろ?・・・。

でも岬くんは怒ることもなく一生懸命なんだよね。

こんな教えかたされたら、
『もういいよ。教えてくれなくって』って私なら怒るとこなのに・・・。

「ごめん。もう一回言ってみて」

繰り返すうちに・・・。

「そうそう。わーい。できたじゃない」
なんか、とてもうれしい。
思わず笑顔になってしまう。

「くす。なんか僕より嬉しそうだね」
そう言われてしまった。

「はい。次行くよ。これはね・・・。」
かくして私の俄かフランス語教室になってしまった。


でも教え方、相変わらずきついな私。

それなのに岬くんたら・・・。

「あづみちゃん。ありがと。助かったよ。
 あづみちゃんって優しいんだね」
そして、「ありがとう。やさしいんだね」と
今度はフランス語で言ったんだ。
ぼんやり立ちつくす私。
「あれ、発音間違ってたかな?」
「ううん」
首を振る私。

「じゃあ、また明日ね」

優しい?私って優しいかな?
あんなきつい言い方になっちゃうのに・・・。
1人佇む私。

「あれ、あづみどうしたの?ぼーっとして」
用事を済ませた杏奈が戻ってきた。

「ねえ、わたしって優しい?」
「ん?」
「私、やっぱり岬くん苦手かも」
「どうしたの?」
「だって、わたしのこと優しいって言うんだよ・・・」
「あら、あづみって優しいと私も思うわよ」

「杏奈まで・・・。
 でも、もし、もしもよ・・・。
 例えそうだとしても面と向かって言う?ふつう・・・」

「優しいと言われて怒ってるあづみのほうが変だと思うんだけど・・・」

そうなんだよね。

私、優しいとか言われたことないし、自分でそう思ってなかったから、
だから戸惑って、どう対応していいかわらなくなっちゃったんだ。






そして、それからしばらくして、杏奈の日本帰国。

その後にフランスの学校とのサッカー親善試合。

『私はどちらかといったら、
 かわいいよりかっこいい方ががいいなぁ。』

そう。そのかっこいい男の子がいた。
岬くんがサッカーしてる姿は、ほんとかっこいい。

そんなサッカーしてる岬くんのかっこいい姿を見ず、
私の気持ちの変化を知らずに杏奈は帰国したんだ。

岬くんが転校してきた日、あの笑顔に
「一目惚れしちゃいそう」と言った友達がいたけど、
その気持ちがわかるよ。

もしこれが岬くんと始めての出会いなら、
確実に一目惚れしちゃいそう。









そして季節は冬になった。



困ったなぁ。どうしよう?
這い蹲うように鍵を探す。
家に入れないよぉ。

「あづみちゃんどうしたの?」
その声に顔を上げる。
「岬くん」

ここはセーヌ川の河川敷。
サッカーの練習してた岬くんが私の姿を見つけて声を掛けてくる。
一緒に練習してたみんな先に帰って、1人で残って練習してたみたい。

「鍵、落としちゃった」
視線を下に戻し探しながら言う。

「鍵?」

「うん。家の鍵・・・」

「ここで落としたの?」
一緒に鍵を探してくれる。

「わかんない」

「学校は行ってみたの?」

「うん。朝通った道と帰り通った道、二往復した。
 先生にも聞いてみた」

「そっか」

「ほら、ここでさ、
 飛んだり跳ねたりしてみんなのサッカー見てたでしょ?
 だからここで落としたのかなって・・・」


2人で必死に探すんだけど・・・。

「みつからない」

日が沈み辺りは暗くなってきた。
冬になると日が暮れるのは早い。
おまけに風が冷たく寒い。

「ママが帰ってくるまで家の前で待ってるしかないか」

「でも、遅いんでしょ?」

「うん。パパはいつも遅くて・・・。今日はママは会社の食事会。
 『夕食適当に食べてなさい』って言ってたから・・・」

「この寒い中待ってるの辛いよね?」
「そうなんだけど・・・。でも・・・」

「ねえ、よかったらうちこない?」
「えっ?でも・・・」


「きまり」
そういって腕を引っ張る。
「え、ちょっと待ってよ・・・」


というわけで岬くんちに行くことになっちゃった。




「適当に座ってて」
私はソファーに腰掛ける。

「コーヒーと紅茶どっちがいい?」
「う~ん、紅茶」

なんか眠い。
ソファーに横になる。

「どうぞ」
と言って紅茶を出された時には、半分夢の中。

「くす。鍵探してて疲れちゃったのかな?」
そんな岬くんの声を聞きながら、眠りについた。



どれくらい寝ていたんだろう?
いいにおいで目を覚ます。
ちゃんと毛布が掛かっていた。

岬くんのほうを見ると、チーズをナイフで削っている。
お皿にはレタスときゅうりと水菜と・・・。
少し大きめのクルトン。
そこにチーズを削って入れてる。
シーザーサラダだ。

そして揚げ物の匂いが漂ってる。

「あの、岬くん」
「あづみちゃん。目、覚めた?」
「ごめんなさい。私・・・」
「よく眠れた?」
「うん。わたしどれくらい寝てた?」
「1時間ちょっとかな・・・」
「えー、そんなに・・・」

わー、私ったらなんてずうずうしいんだぁ。
よそ様の家来て寝ちゃうなんて・・・。

「あづみちゃん。夕食食べてく?」
「えっと・・・」
「食べてって。ね。あづみちゃんの分も作っちゃったから」
「ええー」
私の分も作ってくれたの?いいのかなぁ・・・。

「エビフライ大丈夫?」
岬くんが聞いてくる。

「うん。大好き」
ずうずうしくもこう答えてしまった。

「よかった」

この揚げ物のにおいエビフライのにおいだ・・・。

岬くんちにきて、寝ちゃって、
寝てる間に夕食まで用意されてて・・・。


「私手伝う」

そう言って立ち上がるんだけど、
「もうできるよ。座ってて」
そう言って、入れなおした紅茶もってきてくれた。

なんか、いいのかなぁ?
1人だけ寛いでて・・・。

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