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kizuna  ~おまけ~

そして次の日。
岬くんは元気に登校してきた。


「おはよう。昨日はありがとう」

私の姿を見つけた岬くんが挨拶してきた。
昨日の事がお互いばつが悪いと感じてしまったのか、会話が続かない。
お互いが次の言葉を捜していた一瞬・・・。

「おはよー。岬。もう大丈夫なのか?」

クラスの男友達2人が腕を組むようにして、連れて行ってしまった。

「またあづみに何か言われたのか?」

昨日私の事をからかってきた2人。
相変わらず、からかい口調で言ってるのが聞こえてくる。

岬くんは、ちらりと私のほうを見た。
目で、大丈夫だよ。と言ってるみたいに感じた。


「くす。そんなこと言っちゃかわいそうだよ」

そう言いながら笑っていた。







この日は、朝の挨拶以外、岬くんと話す機会がなく、
放課後になってしまった。

休み時間になると、
クラスの友達が入れ替わり立ち代わり、岬くんと話していた。
別にその輪に加わってもいいんだけど、なんか気まずい。

岬くんが私のこと避けてるんじゃないよね?
なんて卑屈なことまで考えてしまった。

はあ~、かえろっと。





校舎を出て、校門に向かってる途中、「あづみちゃん」と呼ぶ声を聞く。
岬くんが駆け寄ってきた。

息を切らしてる。
いつもならこれくらいだと息一つ乱れないはずなのに・・・。
やっぱり、病み上がりなんだなぁ。

帰ってく私の姿を窓から見て、慌てて追いかけてきたそうだ。

「はい。これ」

そう言って透明なセロファン袋に入ったクッキーを差し出してきた。
口をオレンジのリボンで縛ってある。

「口止め料に・・・」

冗談ぽい口調で言い微笑む。



「受け取れない。口止め料なんてなくても私、誰にも話さないよ」

「そっか、そうだよね」そういった後、
「出来れば、ついでに忘れてくれるとありがたいんだけど・・・」
と呟いた。

忘れるなんて無理に決まってる。

「はい。昨日のお礼。それだったら受け取ってくれるかな?
 最初っからそのつもりだったし」

「ありがと。岬くんが作ったんだよね?いつ作ったの?」

昨日会った時は熱で魘されていたのに・・・。

「うん。朝。昨日、あれだけ寝てたから、朝早く目が覚めて・・・。
 サッカーしたくてもさすがにまずいなぁって。
 だから、クッキー作りしてみました」

ひとつを食べてみる。

「おいしい」

岬くんはそのあとの言葉を待って、身構えた感じになる。

「え、それだけ?」

「え、なに?なに言われると思ったの?」

「てっきりからかわれるのかと。『お菓子作り、岬くんに似合ってるね』とかさ・・・」

「なによそれー・・・。やっぱり口止め料貰うから。 
 口止め料、シュークリームがいいかな」

「シュークリームかぁ。難しいんだよね」

そう言うと考え込んでしまった。

「ごめん。冗談よ」

「うん。でも・・・。
 上手に焼けたら持ってくるよ。あ、学校に持ってくるとつぶれそう」


クッキーがあまりにおいしくて、
岬くんの作ったほかのお菓子を食べたいと思ってしまった。

どさくさにまぎれてずうずうしくも言ってしまった。



「おーい、岬、サッカーやらないか?」

昨日と今朝、私の事をからかっきたクラス仲間が声を掛けてくる。

「うん。ちょっと待って・・・」

「だめよ。サッカーはまだ無理よ」

私はつい叫んでしまった。

「そっか、そうだね。 ごめん。今日はよしておく」

前半は私に言い、後半部分は誘ってきた友達に向けたもの。

「そうだな。わりぃ。病み上がりだものな・・・」

そういって去っていくんだけど、
『病み上がりだものな』がとってつけたように聞こえてしまった。

私たち2人に気を使ってるみたいに感じてしまった。
きっと岬くんが何か言ってくれたんだ。
そんな感じがする。


「さてっと、よかったら、一緒にシュークリーム作らない?
 どうせ今日はサッカーできなくて暇だし・・・」

そして、岬くんには、こう誘われてしまった。

え、ええっ、岬くんと一緒にシュークリーム作り?

いいかも・・・。



「いいの?私、料理苦手だよ」

「うん。家庭科の授業で知ってるよ」

「・・・」

「このお礼もしたいんだ」

そういって鞄からノートを取り出した。

そう、このノートは昨日学校で岬くんに渡そうと思っていたもの。
昨日、お見舞いに行った時、岬くんの部屋の机の上に置いておいた。


「こんなに要点まとめるの大変だったでしょ?」

「そんなでもない。フランス語は得意だから。それに復習にもなるし・・・」

「そっか、ありがと。とても助かるよ」

なんか、自然に話せてるよね?私たち。
昨日のバツの悪い思いが嘘のようだよね?

普通に話して、普通に2人で並んで歩いてる。

このまま2人で、シュークリームの材料を買いに行くことになった。




「でも、あづみちゃんに、風邪移ってなくってよかった。
 今日、風邪であづみちゃん学校休んでたらどうしようかと・・・」

「丈夫だけが取り柄ですから」冗談ぽくちょっと笑いながら言う私。

「そうなんだ」と答えながら笑う岬くん。

そして、2人で笑いあった。

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